タクシーとアルコール依存症の私

タクシーは便利だし、乗るとリッチな気分になれるので、私は大好きだ。

しかし、酔っ払った私とタクシーは「混ぜるな危険」。

酒を思い切り飲んでいた頃は、帰りのタクシーで頻繁にトラブルになった。

当然といえば当然だが、アルコール依存症と診断されて酒と距離を置くようになり、タクシートラブルはなくなった。

もし酒を今でも好きに飲み続けていたら、後に(もしかしたら既に)タクシー関係で私は大きな失敗をし、色々な人に迷惑をかけ、罪を償うことになっているかもしれない。

気絶的睡眠

タクシーは気持ちがいい。

特に冬場、冷え込む路上で流しのタクシーを捕まえて乗り込むとき、タクシーの中はメガネが曇るくらい暖かくて、何だかホッとした気持ちになる。

飲酒後は特に良い。

飲み会終わりは終電を超えた時間になることが多く、当然身体は疲弊しきっている。

加えて、酔っ払いだ。

気持ちよくて眠気が襲ってくる。

年上の多い会社の飲み会では気を張っている部分もあるようで、タクシーに一人乗り込んだ帰り道は開放感と安堵感で満ち溢れる。

すると、どんどん眠くなる

少しだけ眠ろう…と目をつぶったら最後だ。

その後、私は気絶したかのように目を覚まさない

タクシーの運転手さんは大変困るだろう。

こちらが伝えた住所に到着したにも関わらず、声をかけても起きない

住所を伝えていない場合だってある。

例えば最寄りの駅名しか伝えていない場合は、もうお手上げだ。

困ったタクシーの運転手さんは、私を近くの交番に連れて行く。

聞くところによると、運転手さんはお客さんに極力触れないようにしているらしい。

肩をゆすったりして起こそうと試みた方も中にはいらっしゃっただろうが、まぁ起きない。

交番では警察官の方が私の財布の免許証を確認し、私の住所を特定し、最終的には自宅までパトカーで送り届けてくれる。

家では家族が待っており、警察官二人に両脇をかかえられて帰宅する私を見た際には、恥ずかしい思いや未来の心配をさせてしまっただろう。

そして、タクシーの運転手さん及び警察官の方に強いてしまった 酔っ払い対応が申し訳ない。

広島まで行ってくれ

大学時代は行きつけの店が何軒かあった。

こじんまりした店のカウンターに座り、カウンター越しの店員さんと話しながら酒を飲む。

途中から隣のお客さんとも意気投合し盛り上がる。

学生時代は自転車移動が多かったが、帰り道は酔っ払っており、自転車には乗れない。

タクシーだ。

ある日の帰り道、当時お付き合いしていた彼女と電話をしながらタクシーに乗ったらしい。

この日はよく酔っており、記憶があやふやだが、後から答え合わせをして次の流れだったと予想している。

京都にいながらも行き先を「広島まで」と伝えた私。意味不明だ。

電話越しに驚いた当時の彼女は、私にケータイを運転手さんに渡すように指示した。

彼女は私のケータイで運転手さんと会話し、私の自宅の住所を伝えてくれて、私は自宅に向かうことになった。

しかし、広島に向かわない運転手さんへ私は激怒。

車内で揉め始めた。

そして、運転手さんは警察署に向かった。

より一層怒り狂う私。

そして警察署に着いたところでタクシーの運転手さんの肩をつかんでしまったらしい。

そのとき、周囲には警察官数人がおり、現行犯逮捕された。

この一連はほとんど覚えていないわけだが、「◯◯時〇〇分、現行犯で逮捕」という警察官の言葉だけは鮮明に覚えている。

その後、翌朝に早くに母が警察署に私を迎えに来てくれたのだが、再会した際の私の姿はまるでドブネズミのようだったらしい。

最終的にはタクシー会社に謝罪に行き、示談となった。

覚えていないは通用しない

近年、テレビで見る有名人が酔っ払ってトラブルになると、ニュースやワイドショーですぐに大きく取り上げられる。

覚えていない」が全く通用しないのは、周知の事実だろう。

私はこれまでに、家族だけでなく、タクシーの運転手さんや警察官の方など、多くの方に救われてきた。

もしそのときに周りの助けが一切無かったら、今ごろ自分はどうなっていただろうと怖くなる。

酒と距離をおいてから、そういったトラブル自体それに伴う不安な気持ちはなくなった。

迷惑をかけてしまった方々には本当に申し訳なかった。

今後はノートラブルで堂々と生活していきたいと思う。

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