Bと私は大学時代からの付き合い。
大学時代には最もよく飲んだ友人だ。
アルコール依存症になった私は、今でもBを飲みに誘うことができる。
Bと私の出会い
Bとは同じクラスで、大学時代のクラスの飲み会で一緒になった。
当時の私は、人よりも酒が飲めることが自慢だった。
誰かに酒を強要したり一気飲みすることに楽しみは感じないが、酒が強いことには自信を持ち、勝手にガブガブ飲む自分が破天荒でカッコいいと思っていた。
同席していたBは、酔い始めると仲の良い友達を煽り、一気飲み対決を始めたりするようなヤツだった。
そのとき席が近いこともあって、そのノリはまだ話したことがない私にも飛び火した。
「テン、酒強いな!飲もや!」
関西弁の彼は「生2つ!」と、私からの承諾もないままに、良く通る声でオーダーした。
来たな。ならば返り討ちにしてやろう
私はそんな心持ちで誘われた対決に乗った。
結果、二人で大いに酔っ払った。
その後、Bと私は二人でワイワイ飲む関係になった。
Bは私を煽り、私もそんなBを煽り、愉快に飲んだくれていた。
Bと私の共通点
Bと私は共通点が非常に多い。
飲みの場においては、二人ともあまり食べない。
注文は酒と枝豆とポテトサラダくらい。
こういうのは良くないらしいが、酒を飲んでいるときに食べたい気持ちにならない。
他の共通点はというと、酒は好きだが、その種類や味に強いこだわりがないところ。
アルコールが含まれていれば何でも飲む。
おそらく酔えればそれで良かったのだろう。
あと、基本的に不真面目だが、(酒以外の点においては)ギリギリでビビって何とかするところ。
留年しそうな気配もあったが、二人共どうにかして進級した。
将来のことはあまり真剣に考えていなかったが、就職活動の際は学業をほっぽりだして、しっかり企業対策して、お互い満足のいく就職を果たした。
金銭感覚も近かった。
よくパチンコやスロットに一緒に行ったものだ。
飲みにおいては、お互い頻繁に記憶をなくし、翌日に「2軒目、何にも覚えてない!」「なぜ財布から万札が消えてる?」「ボッタクられた?!」などといってよく盛り上がっていた。
Bと私の異なる点
お互いに大学を卒業して社会人になったが、Bとはしばしば会い、飲みに行った。
煽りながら飲むようなことはしなくなったが、やはり二人揃うと酒が進む。
しかし、大学時代とは異なる点があった。
私だけが潰れるようになっていた。
私は飲んでいる途中に眠ってしまい、その後なかなか起きなかったり、グラスを割るなどの粗相をしてしまう。
「弱くなったなー」などと言ってBは私を笑い、私も「ごめんなー」といって笑っていた。
私だけが酒に弱くなったのだろうか。
いや、それは違った。
Bと私の飲み方は、徐々に変化していた。
社会人になったBは、酔いを感じるとセーブする飲み方になった。
一方私は、酔いを感じるとより一層加速する飲み方になっていた。
結局、私だけがアルコール依存症になった。
実際には、Bがアルコール依存症でないことに確信があるわけではないが、おそらく違うと思っている。
社会人になってからのBと私では、失敗の数が明らかに違う。
会社の遅刻だけとっても、きっと私の遅刻の方がBのそれよりも10倍以上多いだろう。
いつまでもBと楽しくワイワイ飲んでいたかったが、アルコール依存症を発病した私は、そうするわけにはいかなくなった。
飲まないけど飲みに行こう
アルコール依存症と診断された私は断酒を始めたが、「おれは飲まないけど飲みに行こう」と、Bに対しては気兼ねなく誘うことができた。
アルコール依存症発病後に距離ができてしまった友人は多いが、Bとは変わらず飲み友達だ。
その理由は明確にはわからないが、きっと酒以外の部分でも、私はBに対して魅力を感じていたのだろう。
私がジンジャエールをオーダーすると「つまらんなー」と言われてしまうが、私は「うるせーよ」と軽く返すことができる。
もう大学時代のように私は好き勝手に飲むことはできないが、Bとの飲みは私にとって大切な時間だ。
お疲れ様です。自分は大きなスリップに何度かつながったので、もう飲むことも、飲み会に行くこともないですが、良い関係で入れる友人は大切ですね。
応援してます。ありがとうございます。
いつも応援いただきましてありがとうございます。
私の場合はアルコール依存症患者として飲み会に行くように心がけています。
それでも距離ができてしまった友人はたくさんいます。