スクリーニングテストをやってみた【AUDIT編】

アルコール依存症かどうかをチェックするためのスクリーニングテストを改めてやってみました。

スクリーニングテストとは
「病気の確率が高いかどうか」をチェックするテスト。あくまでも病気の可能性を示唆するもので、病気を確定させるものではありません。

今回は、AUDITというWHO(世界保健機構)により作成されたテストをやってみます。

減酒治療をしているアルコール依存症患者の一例として皆様の参考になれば幸いです。

AUDITとは

1990年代初めに、WHO(世界保健機関)によって作成されたスクリーニングテストです。

世界中の多くの国で使用され、地域・年齢・性別問わず高い妥当性が報告されています。

日本国内では、久里浜医療センターによって作られたKASTという日本人向けのアルコール依存症のスクリーニングテストが使用されることが多いですが、AUDITもKAST同様に広く使用されています。

AUDITでアルコール依存症のチェックをしてみたい方は下記でテストを受けることができます。

参考 AUDIT (Alcohol Use Disorders Identification Test)久里浜医療センター

AUDITをやってみた

10個の質問が用意されています。

アルコール依存症治療前(数年前)の自分を思い出しながら回答するとともに、減酒治療中の現在ならどう判定されるのか?も試してみたいと思います

※現在と言いつつ、現在は自粛で飲み会が極端に無いため、コロナ前を思い出しつつ回答します

  1. あなたはアルコール含有飲料をどのくらいの頻度で飲みますか?

    1週に2~3度(治療前)
    仕事での飲み会や友人との飲み会が週に数回ありました。自宅での飲酒習慣はありませんでした。

    1カ月に2~4度(現在)
    友人との飲み会がほとんど無くなりました。仕事での飲み会は変わらずです。
  2. 飲酒するときには通常どのくらいの量を飲みますか?

    ※生ビール(中ジョッキ)1杯で1.3ドリンクという単位です
    ※詳しくはこちら ドリンク換算表

    7~9ドリンク(治療前)
    生ビール(中ジョッキ)で5杯以上は飲んでいました。スイッチがONになってしまったときは10ドリンク以上になりますが、平均的にはこれくらいです。

    1~2ドリンク(現在)
    減酒の自分ルールにしたがって飲酒しています。生ビール(中ジョッキ)で2杯を上限としています。

  3. 1度に6ドリンク以上飲酒することがどのくらいの頻度でありますか?

    1週に1度(治療前)
    飲むときはだいたい6ドリンク以上の飲酒になるのですが、「毎日」というわけではないので、1週に1度にしています。

    1カ月に1度未満(現在)
    6ドリンク以上の飲酒はスリップです。2019年12月に一度スリップし大量飲酒しているので「ない」とは言えません。

  4. 過去1年間に、飲み始めると止められなかったことが、どのくらいの頻度でありましたか?

    1カ月に1度(治療前)
    止められなくなる大量飲酒の頻度です。何かしら失敗します。月に1度ほどはありました。

    1カ月に1度未満(現在)
    スリップの頻度ということになりますが、「ない」とは言えないので月に1度未満とします。

  5. 過去1年間に、普通だと行えることを飲酒していたためにできなかったことが、どのくらいの頻度でありましたか?

    1カ月に1度(治療前)
    大量飲酒の頻度と同様です。家に帰ることができなくなっていましたね…

    1カ月に1度未満(現在)
    スリップの頻度と同様です。着替えずに寝てましたね…メガネも無くしていましたね…

  6. 過去1年間に、深酒の後体調を整えるために、朝迎え酒をせねばならなかったことが、どのくらいの頻度でありましたか?

    ない(治療前・現在ともに)
    体調を整えるための朝の迎え酒はこれまで経験がありません。

  7. 過去1年間に、飲酒後罪悪感や自責の念にかられたことが、どのくらいの頻度でありましたか?

    1カ月に1度(治療前)
    大量飲酒の頻度と同様です。必ず何かしら失敗して、深く反省していました。でもまた大量飲酒を繰り返しました。

    1カ月に1度未満(現在)
    スリップの頻度と同様です。

  8. 過去1年間に、飲酒のため前夜の出来事を思い出せなかったことが、どのくらいの頻度でありましたか?

    1カ月に1度(治療前)
    大量飲酒の頻度と同様です。年々記憶が飛びやすくなっていました。

    1カ月に1度未満(現在)
    スリップの頻度と同様です。 年々弱くなっているので、これまで大丈夫だった量の飲酒であっても、記憶が無くなります。

  9. あなたの飲酒のために、あなた自身か他の誰かがけがをしたことがありますか?

    過去1年間にあり(治療前)
    大量飲酒の頻度と同様です。顔が傷だらけになっていたことがありました。誰かと何かしらのトラブルになったのでしょうが、誰なのかはわかりません。その方に怪我をさせたのかどうかも今となってはわかりません。

    過去1年間にあり(現在)
    大量飲酒時(つまりスリップ時)は少なくとも転んだりはするので、擦り傷くらいは必ずあります。

  10. 肉親や親戚、友人、医師、あるいは他の健康管理にたずさわる人が、あなたの飲酒について心配したり、飲酒量を減らすように勧めたりしたことがありますか?

    過去1年間にあり(治療前)
    家族からの度重なる指摘でアルコール依存症外来を受診しました。

    過去1年間にあり(現在)
    スリップ時には、やはり家族が心配しました。減酒でなく、薬を飲んで断酒した方が良いのではないかとも言われました。

特に治療前を思い出すと、本当に情けない気持ちになりますね…

結果は、アルコール依存症の治療前と現在で下記になりました。

治療前:25点(アルコール依存症の疑い)
現在:15点(アルコール依存症の疑い)

判定基準
15点以上でアルコール依存症の疑い群。8~14点で要注意群。7点以下で正常群

治療前はやはりアルコール依存症の疑い群でした。

そして、減酒治療中の現在はギリギリでアルコール依存症の疑い!

減酒しているとはいえ、テストをするとバレてしまいました。

そうです、紛れもなく、私はアルコール依存症です。

まとめ

アルコール依存症の減酒治療をはじめてからのスリップは1度だけですが、1度の大量飲酒だったとしても、複数の設問で同じ理由で加点されます

大量飲酒

私にとっては身近な存在(言葉)なのですが、アルコール依存症でない方からすると、そんな経験めったにないことなんだと思います。

AUDITは設問9,10に当てはまると大きく加点されます。

設問9は自分や他の誰かがけがをしたことがあるかどうか。

確かに普通はないことだと思います。

設問10は自分以外の周囲が心配していたり、飲酒量を減らすことを勧めたかどうが。

アルコール依存症は否認の病と呼ばれますので、周囲が飲酒をどう思っているかは重要な尺度だということです。

スクリーニングテストは自分を客観視できます。

「私、アルコール依存症かも…」と思った方は一度気軽にやってみてはいかがでしょうか。

そして結果は素直に受け止めましょう。(これ大事)

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