私は昭和に生まれ、平成になり、今は令和。
令和は多種多様が認められる時代であるように感じます。
酒との付き合い方もいろいろ。
アルコール依存症の治療も、人それぞれ、多様化してきているのではないでしょうか。
そんな私の思う令和っぽいを、令和初の新年に考えてみたいと思います。
仕事
仕事の仕方のバリエーションは、急速に増えています。
大企業に勤めさえすれば、とにかくそれが一番良い
もしこのような考え方をしてる方がいらっしゃれば、それは昭和と言わざるを得ません。
大企業に務めることも仕事の選択肢の一つでしかありません。
どういう仕事をして、どういうライフスタイルを送りたいかによって、自由に仕事を選び、さらに、自分の求めるものが変われば仕事も自由に変える
こういった働き方は令和っぽいなぁと思います。
キャリアアップを目指した転職は、もはや全く珍しいことではありません。
副業を認める会社も増えています。
クラウドソーシングサイトを利用すると、本業と並行して自宅で自分のスキルを活かした仕事を簡単に受注して、お金を稼ぐことができます。
本業と副業に並行して取り組むことは、副業を好きに選んで楽しめている前提では面白い人生だと思いますし、本業一本から脱却したリスクヘッジにもなります。
同じくクラウドソーシングサイトで発注者側に立つと、自分のやりたいことに自分で投資して、ビジネス化することだってできます。
そのビジネス規模が大きくなりそうなのであれば、起業するのもアリです。
このように、令和という時代には、好きな仕事を自分で選んで実現に向けて努力できる環境が整っています。
中学生のなりたい職業ランキングの上位がYouTuberやプロゲーマーである事実は、それが彼らにとって自由に見えるからではないでしょうか。
自分の能力を自由に伸ばして、自分の仕事を自由に決め、自由に努力し、自由に働く
令和っぽい働き方だなぁと思います。
この背景には、誰でもインターネットを使って世界中の情報にアクセスできることがあります。
出会い
インターネットは自分の世界を広げます。
今私はこうしてブログを書いているわけですが、このブログは顔も名前も知らない方に読んでいただき、コメントという形でコミュニケーションをとることもできます。
また、Twitterでも近況や思ったことを定期的にツイートしていますが、SNSはより一層コミュニケーションが生まれやすいサービスです。
インターネット以外の日常生活では決して交わることのない人と出会い、結果、様々な価値観を学ぶことができます。
また、結婚したければ婚活サイトに登録したり、彼氏や彼女がほしければ、出会い系サービスを利用することも、珍しさはありません。
人との出会い方はインターネットによって多様化して、それに抵抗なく効率的に利用して「いいとこ取り」するやり方は、令和っぽいなぁと思います。
ただし、上手に利用するためには、それなりのITリテラシーが必要です。
つまり、自分も令和っぽく生きるためには、新しい価値観を理解することに加えて、自分で調べて考えて行動する意識(能力)も必要です。
性
LGBTという言葉は聞いたことがあるでしょう。
ジェンダーレスという言葉も浸透してきているのではないでしょうか。
性別問わず、誰を好きになるのも自由。
男らしいとか女らしいとか、「男なんだから〇〇であるべき」「女は〇〇するもの」といった考え方は昭和です。
たとえ少数派であっても、それは関係ありません。
多様な個人が尊重されて、それが認められるのは良いことだと思います。
少数派がすべての人に理解され受け入れられることは理想的ですが、一方で、それは現実的には不可能だとも思います。
しかし、テレビやインターネットでそういった話題が取り扱われ、世間がこれまで知らなかった価値観に触れること自体が素晴らしいと思います。
テレビは番組によっては偏向報道で炎上していたりしますが、他の番組では多様な価値観を広く伝え、それを常識化することに貢献しています。
インターネットには新鮮な価値観がゴロゴロ転がっていて、検索スキルがあれば、いくらでも自分で探し出すことができます。
メディアの扱う情報も、令和っぽくなってきている。良い感じ。
酒
会社ではセクハラ、パワハラとともに、アルハラの取り締まりが強化されてきています。
飲みたい人、飲みたくない人、体質的に飲めない人
アルコール依存症の治療で断酒している人
飲める量は人それぞれで、好きな飲み方も人それぞれ。
この考え方は確実に広がっています。
一方で、コミュニティによっては、未だに酒を飲めることが重要視されたり、飲み会への参加がほとんど強制的であることもあるでしょう。
一気飲みの強要は、私の周りでは見ませんが、あるところにはあるでしょう。
ハラスメントが問題視されているということは、嫌だと感じたあなたを世間が守る姿勢を見せているという意味です。
何がハラスメントか?というと明確なルールはありませんが、概念としては、相対的に弱い立場の人が「やめて」と言えない状況を助けるというものでしょう。
嫌だと感じるポイントは人によって異なるでしょうから、ルール化はできるはずもありません。
逆に、嫌だと感じたことは何でも声をあげて良いのです。
飲み会に話を戻すと、私は昨年の会社の忘年会で幹事をやりましたが、あっさり参加を断る方はたくさんいらっしゃいました。
忘年会は業務時間外でプライベートな時間なので、参加は自由です。
会社側に強制力がないのは当前ですし、不参加は全く問題ありません。
飲み会に不参加を表明したり、参加しつつ飲まなかったり、飲みたい人は飲んだり。
もう何でもごった煮が令和っぽいですね。
アルコール依存症の治療
さて、相変わらず前置きが長くすみません。
結論は簡単です。
令和のアルコール依存症の治療も多種多様です。
アルコール依存症は完治しない病気なので、治療法としては断酒が理想的でしょう。
しかし、
アルコール依存症の治療は断酒しかありません
と言い切ってしまうことに、私には大きな違和感を感じます。
それはアルコール依存症にもステージがあるためです。
具体的にはプレアルコホリズム(アルコール依存症予備軍)からはじまり、アルコール依存症初期・中期・末期とステージを分類できます。
入院が必要になると断酒すべきですが、それは入院が必要になった理由から納得できるかと思います。
明らかな合併症がなく、通院治療が選択できる状態では、治療法は必ずしも断酒に限定されません。
減酒という選択肢もあります。
繰り返しますが、断酒による治療が最良で、それを目指すのが一番良いのは間違いありません。
しかし、「断酒しかない」という頭ごなしの価値観は、アルコール依存症患者を治療から遠ざけます。
減酒は、飲酒による害を減らすハームリダクションの概念です。
最も良くないのは、治療しないこと。
最も良いのは断酒。
中間を減酒が補い、アルコール依存症の治療のハードルを下げます。
減酒で許される酒量に明確な決まりはありません。
患者ごとに減酒の自分ルールが存在します。
つまり、治療しないことと断酒することの間は、減酒によりグラデーション化されるのです。
ただし、減酒はあくまでアルコール依存症の治療としておこなうので、専門家(医師)と相談の上、双方納得したルールを決める必要があります。
減酒外来も増えてきており、アルコール依存症治療も令和っぽくなってきています。
そうです、もう令和です。
これまでアルコール依存症の治療から足が遠のいていた人も、ぜひ改めて、自分オリジナルな治療法を模索してみてください。
テンさん、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
減酒実践はすごいです。依存ではないのでは?と思ってしまうのと
いろいろな回復の形があると思い知らされた感じです。
自分は断酒しかできませんが。
とにかく、快適な人生を送りたいものですね。ありがとうございます。
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
私は酒をある程度飲むと止まらなくなってしまいます。
それが原因での失敗も多く、家族がアルコール依存症を疑い、
家族に説得された私は外来を受診しました。
そして、実際にアルコール依存症と診断されました。
ただ、離脱症状がないため、ステージはあまり進行しておらず、
初期かプレアルコホリズムなのではないかと思っております。
これ以上進行させないためにも、減酒しつつ、できたら断酒しつつ
酒と良い距離感で付き合っていきたいと思っています。
いつもありがとうございます。