飲酒の免許制度

飲酒の免許制度について、アルコール依存症である自分の立場からは面白いと感じたので共有したいと思います。

飲酒が免許制度になるとどうなるのだろうか。

ふとそんなことを思い、ネットで調べたところ、同じようなことを考えている方が他にもおられた。

気になる方は一度ググってみてください。

賛否ありますが、否定的な意見が多い印象です。

私は自分にとってのメリットだけを考えて賛成ですが、それは自分がアルコール依存症だからでしょう。

以下、自分なりの解釈と想像です。

気になる方は読み進めていただければと思います。

飲酒の免許制とは

飲酒の免許制とは、二十歳になると飲酒免許が取得できる制度

運転免許を取得することをイメージしていただくと良い。

酒に関する講義を受け、試験に合格すると免許を取得できる。

免許証は運転免許証のように紙でも良いし、スマホ内で管理できる形でも良い。

何にせよ、酒を飲む際や買う際にはこの免許証の提示が必要となる。

そして、問題のある飲酒すると、免許停止になる。

私も含めて、アルコール依存症の多くの方は免停状態だろう。

免停のまま酒を飲んだり買ったりすると、罰が与えられる。

細かい決め事は抜きにして、飲酒免許制度の概念はこういった内容だ。

飲酒免許制度で得する人・損する人

この制度は立場によって、得をしたり損をしたりするだろう。

世の中の人をざっくり分類してみる。

まず、世の中には酒をサービスする側の人と、サービスを受ける側の人が存在する。

そして、サービスを受ける側の人には、アルコール依存症の人と、アルコール依存症でない人が存在する。

酒をサービスする側の人

酒をサービスする側の人は、この制度に対して基本的にネガティブだろう。

居酒屋やバーでは売上が下がりそうだ。

酒造メーカーも同様。

それに伴って、国の酒税による税収も下がるだろう。

これらの点だけでも、飲酒免許制度の実現は極めて困難だ。

アルコール依存症でない人

アルコール依存症でない人からすると、飲酒免許制度は迷惑この上ないだろう。

シンプルに免許証の携帯が面倒だ。

もし外食時にたまたま飲酒免許証を忘れてしまうと、 節度をもって飲めるのにもかかわらず、免許不携帯で飲めない。

免許を取得するフローも手間だ。

酒を飲む人の大多数がアルコール依存症ではないわけだから、否定派大多数となるのは容易に想像できる。

アルコール依存症でない人にとってのメリットを挙げるならば、酒によるトラブルが世の中から減り、そういったトラブルに巻き込まれる可能性が小さくなることだ。

また、アルコール依存症患者の家族や友人をはじめとする周囲の方は、酒をやめてほしいという切実な思いから、もしかすると飲酒免許制度に賛同するかもしれない。

アルコール依存症の人

アルコール依存症の人、とりわけ酒をやめたいと考えている人からすると、この制度は好都合かもしれない。

制度上酒を飲めないとなると、酒を勧められた場合に断るのが楽になる。

免停状態で飲めば罰になるとすれば、そこで食い止まる効果があるかもしれない。

飲酒免許制度の実現が難しい点

さて、ここまでざっくりした話を進めてきたが、 飲酒免許制度の実現は極めて難しいと思う。

制度化する以上、制度によって世の中が今よりもより良くなっている(と人々が感じられる)ことが重要だが、大多数が否定的だろうと想像すると、その時点でこの制度はイケてないのだろう。

また、実際に制度化するということになれば、制度周りの様々なことに対して、5W1H(だれが、いつ、どこで、なにを、なぜ、どのように)の回答が用意されている必要がある。

免許制にするからには、違反の発見(取り締まり)や違反した場合の措置の取り決めが非常に重要だ。

違反は誰が取り締まるのだろう。

警察官なのか?

誰を取り締まるのだろう?

免許停止にも関わらず酒を飲んだ人なのか。免停の人に酒を提供した店なのか。違法なルートから酒を手に入れて飲んだ場合は、闇ルートの売人を追うのか?

制度を違反した場合はどうなるのだろう。

車の免許同様に点数制なのだろうか?度合いによっては一発で免許停止なのだろうか。免停の期間は?

ところで、どこからが違反なのだろう。

例えば居酒屋で飲みすぎて少しだけ寝てしまった場合はどうか。

「おい、テン!もう帰るぞ!終電だぞ!」と言われて起きた場合は、セーフな気がする。

道端で眠ってしまった場合はどうか。

そして、全く起きずに警察のお世話になった場合はどうか。

警察が絡むと違反の色が濃くなる気がする。

アルコールハラスメントはどう取り締まるのか。

もはや私の頭では話をまとめられない。

アメリカでの禁酒法

ところで、アメリカでは過去に禁酒法が存在していた時代があったが、問題山積で、後に廃止されている。

Wikipediaでその概要が確認できるが、想像以上に様々な問題があったようで、例えば、無許可で酒を製造販売するマフィアの新たな資金源となってしまったことも一例として挙げられている。

参考 アメリカ合衆国における禁酒法Wikipedia

また、成立後のほうが市民の飲酒が増加したという興味深いことも書かれていた。

モグリ酒場も増え、犯罪も増加したとのこと。

酒を飲むこと自体が犯罪になれば、犯罪数の増加は納得できる。

法で酒を縛ったことが逆効果になった一例だが、飲酒の免許制度という縛りにより、アルコール依存症患者数が増える未来にだけはなってはいけないし、そういった懸念がすべて取り払えてはじめて議論のスタートラインなのだろう。

最後は自分でどうにかするしかない

酒の無い世界や手に入りにくい世界は、アルコール依存症の私からすると理想的なのだが、当然のことながら、やはり実現は難しい

アルコール依存症の治療は、地道に断酒・減酒で酒と向き合い続ける方法しかないわけだ。

世界的に見ると酒の免許制こそないものの、飲酒運転の罰則が厳しい国や、宗教上の理由でほとんどの人が酒を飲まない国があったり、酒との関わり方は様々で面白い。

また情報共有したいと思う。

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