減酒外来への10回目の通院が、9回目の9カ月後になるとは思いも寄らなかった。
思い返すと、前回(9カ月前)の通院時は、まだ緊急事態宣言前。
2週間に1度のペースでの通院が止まってしまったのは、もちろんコロナウイルスの影響での自粛生活が理由だが、先日スリップしたことを受けて、通院を再開した。

久しぶりの通院で、若干緊張しつつ、若干スリップについて話すのが嫌になりつつ、それでも行かねばという思いで病院に行ってきました。
コロナ仕様の待合室
通院を電話予約した際に、受付の方から、
「久しぶりの通院の場合は、通常よりも診察時間が長くなります。他の患者さんとの時間の調整のため、待ち時間が長くなる場合があることを予めご了承ください」
と言われていた。
待つのは全く構わない。
最近ハマっているビジネス系YouTuberの動画を見ながら待てば、時が経つのは一瞬だ。
病院の中はソーシャルディスタンスが保てるように椅子の配置が変わっていた。
デイケアで利用する部屋も待合いスペースとして利用されており、前回の訪問からの9カ月間で、病院としても試行錯誤されたのがうかがえる。
相変わらず私は仕事後の通院なので、一緒に診察を待つ方々もサラリーマン風の方が多い。
椅子に座ってイヤホンをしてスマホを取り出してYouTubeを開く。
しばらくボーっと動画を見ていると、ふと、どんな診察になるのか気になってきた。
スリップについて、どんな風に説明しようか…
といっても、先日記事にしたこと以上のことはないし、その自己分析だったりを先生に説明することになるだろう。
スリップしたのはいつだったかな?と思ったときにハッとした。
記録してない!!
減酒治療においては、減酒の記録を付けるのがルールだ。

9カ月前にはアプリ「減酒にっき」で、日々の減酒の記録を付けていて、それを診察時に先生に見せていたはずだ。
自宅での飲酒習慣の無い私は、長い自粛生活の中で、記録する癖が完全に消えてしまっていた…
やはり、通院から遠ざかるのは良くないな…と思いつつ、スリップした日を自分の過去の記事を見ながら確かめた。
先生との対面~診察
先生「久しぶりだね。どう?元気にしてた?」
私「はい。先生こそ、お元気でしたか?お久しぶりです。」
先生「お酒の方は順調?」
私「えっと…10月末にスリップしまして…6杯ほど飲んでしまいました。それがあって、通院を再開したいと思い立ち、今日来ました」
先生「そうだったんだ。それはいつ?」
私「10月20日です」
そして、スリップ時のことを細かく質問され、それらに答えた。
- 誰とどこで飲酒したのか
- 何時から何時まで飲酒していたのか
- 何杯くらいをどれくらいのペースで飲んだのか
- 薬は服用したのか
- なぜルールを守れなかったのか
すべて自分の中で整理できていたので、質問には正直に答えるだけなのだが、やはり改めて思い出して口にすると、少し罪悪感が蘇った。
なぜルールを守れなかったかという質問に対しては、「通院から遠ざかり、治療をやめてしまっていたためだと思います」と答えた。
続けて、これからまた継続して通院したい旨を伝えた。
先生「薬(セリンクロ)はどうする?まだあるの?」
私「はい、結構まだ残っているので、特にいただかなくても良いかと思っています」
先生「薬は効いてる感じはある?」
私「そうですね。以前よりも飲み会の頻度が減って、それに伴って薬を服用する頻度も減ったので、薬を飲むとくらくらするような副作用を感じますが、それで飲酒欲求が減っている感覚はあります」
先生「そっか。半錠だっけ?」
私「はい。毎回半錠にしています」
先生「そういえば、もう来月は年末だね。忘年会とか気をつけてよ~」
私「…そうですね。気をつけます。そういえば、昨年は忘年会のときに大変なことになったので…」

先生「そうだったよね。あ、今回は何か記憶がないとか、そういうことはなかったの?」
私「はい。スリップで1つだけ良かったことを挙げるなら、これまでスリップした際には半ば自暴自棄に飲酒して、盛大にトラブルを起こしていましたが、今回はそういうことにはなりませんでした。良くはないですが…まぁ…良かったです」
先生は笑っていて、私も苦笑した。
通院習慣、再構築へ
先生「じゃあ、次はどうする?1カ月後とかにする?」
私「いえ、2週間に1度のペースを考えています。良いでしょうか?」
先生「うん、いいよ。じゃあね、また待ってるね」
ということで、2週間に1度の通院生活が再び始まった。
とにかく、病院に行けて良かった。
もっと早く来るべきだった。
さあ、また頑張ろう。
再始動だ。
一歩ずつ。