アルコール依存症の入院治療の流れ

アルコール依存症治療には通院入院の2種類があります。

とはいえ、自分自身や家族にアルコール依存症の可能性があるとして、

どこの病院で診察を受けたらいいの?

実際に入院したらどうなるの?

そんな不安を抱えている方も多いでしょう。

今回は、実際に患者が病院に行って、入院して退院するまでの流れを、記事制作の協力者である小石さんの体験談をもとにご紹介します。

「治さなきゃいけない。けど具体的にどうしたら…?」

と思っている方はぜひ参考にしてみてください。

制作協力
このページの制作には、アルコール依存症初期で精神病院へ入院された小石(仮名)さんにご協力いただいております。小石さんは入院中に他の依存症患者の方と共に治療プログラムに参加されていました。現在は断酒での治療に取り組まれています

入院治療の流れ

治療法として入院を選択した場合、以下のような流れで治療していきます。

  1. 診断
  2. 入院の手続き
  3. 入院
  4. 退院後の手続き・治療法の相談
  5. 退院

一つずつ見ていきましょう。

なお、この記事を書いている2020年秋の時点では、コロナウイルスの影響により、入院患者を制限している病院もありますので、病院の事前調査は必須です。

「この病院で治療したい!」と思った方は、まず電話相談メールなどで話を聞いてみてください。

また、この記事での紹介は体験に基づく一例なので、病院によって少々異なるかもしれませんが、あらかじめご了承ください。

診断

さて、入院の前に本当にアルコール依存症かどうかの診断をしてもらう必要があります。

最終的な診断は依存症専門の病院に勤務する医師にやってもらいます。

というのも、アルコール依存症はうつ病や双極性障害と症状が似ており、依存症専門の病院以外の医師が診断すると誤診の恐れがあるためです。

不治の病「アルコール依存症」症状概要でも触れていますので、興味のある方はご覧ください。

症状概要不治の病「アルコール依存症」症状概要

また各病院、特に依存症専門の病院では大抵の場合「スクリーニングテスト」というものを行っています。

アルコール依存症治療ナビというNPO法人のWEBサイトでもスクリーニングテストが受けられます。

興味のある方はぜひ試してみてください。

私自身もスクリーニングテストをやっています。

AUDITスクリーニングテストをやってみた【AUDIT編】

入院の手続き

入院して治療に専念するとなれば、必ず手続きが必要になってきます。

職場への連絡はもちろんですが、会社や行政が出している休職手当や助成金を活用することで入院費用を抑えることができます。

入院費用を安く済ませるためにも、手当て・助成金を活用して上手に治療していきましょう。

実際に利用できる手当て・助成金には以下のものがあります。

  • 各会社が行っている休職手当、常備薬の補助
  • 傷病手当
  • 休業補償給付
  • 高額医療費

傷病手当・休業補償給付は行政が行っている手当てです。

高額医療費はひと月に支払った医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額を超えると一定額の払い戻しができるという制度です。

参考 高額な医療費を支払ったとき全国健康保険協会

加えて、会社によっては常備薬の補助も行ってくれるところもあります。

退院後、アルコール依存症患者は抗酒剤や睡眠導入剤、精神安定剤などを常備薬として服用する方も少なくないので、実にありがたい制度です。

こういった情報は会社から送られてくる健康保険組合からの書類やお便りに掲載されていることもありますので、一度確認してみてください。

入院

さて、記事制作の協力者である小石さんの実際の入院生活は以下のような感じです。

  • 基本的に病院から出てはいけない(外出・外泊する場合は病院からの許可が必要)
  • 突起物やひも状等の危険物を所持してはいけない。病院に持ち込まない
  • 外出・外泊後は必ず持ち込み検査がある
  • 一日に一度の治療プログラムに参加する
  • 断酒会への参加する
  • 食事、睡眠、運動以外の時間は基本的に自由時間

めちゃくちゃ暇だそうです。

小石さん曰く「マジで何もすることがなくて困りました」なんて苦笑いしていましたが、彼女の場合、これもチャンスだと新しい趣味を開拓することに専念していたようです。

また、人によっては病院に拘束されることに嫌悪感を覚える方もいます。

そのようなときは、思い出してください。

アルコール依存症は脳の病気なのです。

症状概要不治の病「アルコール依存症」症状概要

隙あらば、あらゆる手を使ってでも飲もうとしてしまうことが、アルコール依存症という病気の恐ろしさです。

病院がここまで隔離と拘束を行うのは、ひとえにアルコール依存症という病気の特異さにあるのです。

退院後の手続き・治療法の相談

さて、無事入院中の治療プログラムを消化した後は、退院後どうするかを相談していきます。

  • 会社に復職するかどうかの選択
  • 新たな就職先を探す場合は就活支援
  • 退院後の治療方法の相談

病院によるかもしれませんが、小石さんが入院していた病院では退院後の就活支援として、適性検査や就活支援センターの紹介を医師やアドバイザーの方が手伝ってくださったそうです。

病院によって個人差が出ると思いますので、入院前に調べておくといいでしょう。

退院

退院後も治療は続きます。

基本的に退院後の治療は薬物療法カウンセリングが基本となりますが、症状に応じて通院の頻度は減っていきます

アルコール依存症は一生に渡って付き合っていかねばならない病気です。

回復することはあっても、完治してまた以前のように好き勝手飲めるようには決してなりません。

私は断酒ではなく減酒で治療をしていますが、セリンクロという飲酒欲求を抑える薬を必ず飲むことをはじめ、他にもいくつかのルールを守りながら飲酒します。

退院後も慢心することなく、着実に治療を続けることが大切です。(自戒の念もこめて…)

病院にもよりますが、入院中に断酒会(アルコール依存症患者による当事者会)や家族会を紹介してくれるところもあります。

同じ病気を抱え、日常生活を送っている先輩方がそこにいらっしゃいます。

そういった会に参加し、自分自身の悩みや不安を話すのも、治療を続ける上で得策です。

断酒会などは基本的に事前予約の必要がなく、気が向いた時にふらっといけるので気軽に参加できます。

興味のある方はぜひ調べてみて、足を運んでみてください。

まとめ

病院によっては入院する条件に「患者が治療をしようという強い意志を持っていること」を掲げる病院もあります。

とはいえ、「否認の病」と呼ばれるアルコール依存症患者を説得するのは容易ではありませんし、誰だって自分が病気であると認めたくはありません

ですが、もし患者本人の方であればご自身の胸に、ご家族の方であれば今後の生活のことを考えてみてください。

本当に現状維持のままでいいのでしょうか?

いえ、本当にその現状維持を続けられますか?

無理だと思ったら、迷わず助けを求めてください。

相談に乗ってくださる方が必ずいらっしゃいます。

専門病院の中には、電話相談を受け付けている病院は多く存在します。

離れた病院であっても、専門家からアドバイスを受けられるだけでも心強いものです。

一人で抱え込まず、一度相談をしてみてください。

費用 アルコール依存症の治療にかかる費用 治療 認めることが第一歩。アルコール依存症の治療

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